スマートフォンの契約を見直しにショップを訪れたときのことでした。
担当してくれた若いお兄さんは、細身のスーツにおしゃれなヘアスタイル。(イマドキの若者だなあ、きちんと対応してくれるかなあ。)と少々心配していたのですが、彼はとても穏やかな口調で一つ一つ丁寧に説明してくれました。ひとしきりの説明を終え、事務的な手続きを見守っていると、担当者の彼が突然口を開き、「先生、僕、赤中の卒業生です。覚えてますか?」と切り出しました。「え!?」と動揺し、すぐに気づいてあげられなかった申し訳なさを抱きながら、メガネとマスクで隠された彼の顔をよくよく観察すると、なんと私が初めて卒業生を担任したクラスの生徒だったのです。中学生だった頃の彼を思い出し、(立派になったなあ。)と嬉しい気持ちが込み上げてきたのでした。
二十歳を迎えられるみなさん、おめでとうございます。中学校卒業後、それぞれの人生の中で日々戦っていることと思います。これからも自分の生き方にプライドをもって力強く歩んでいってください。

赤川中(現・森町立森中) 下荒 聡太